義母に発生した大問題② エアコンも扇風機も使えない
固定電話が開通したので、一応電話問題は解決。
非常用ボタンは手の届かないところに隠し、何かあったら私か夫の携帯に電話させるようにしました。
でもそれさえも大変でした。なぜなら、この時点で、義母が使える家電は冷蔵庫とテレビだけだったからです。
黒電話のような単純な電話機ならば固定電話も使えるのですが、ボタンの多いものは混乱するだけ(以前はちゃんと使えたのに)。
それで家電店でもっともシンプルな電話機(今やほとんど売っていません)を買ってきて設置しました。
コードレスフォンは無理なので、本当に基本的な電話機です。見た目はこんなの。もっと可愛かったけど。
でもこれだと誰からかかってきたのかわからないので、後日液晶パネルのある物に買い換えましたけどね。
とりあえず、これで電話問題はなんとかなりました。
しかし、まもなくこのサ高住での最大の問題が明らかになりました。
義母はエアコンが使えない。
8月だったので暑い。熱中症になるくらい暑い。
でも義母はすでに温度感覚がなくなっていた(真夏でもものすごく厚着している)のと、一度夜中に非常ボタンを押して注意されたことを苦にしていました。
めったに暑いと思わないんだけど、暑いと思ってもエアコンの操作方法がわからないし、聞くと叱られるのではないかと恐れている。
今思えば、その頃からとにかく「怒られる」ということを恐れていたような気がします。
(後でそのことで問題が発生するのですが、それはおいおい)
「こんなことを聞いたら怒られるんじゃないか」とか「こんなことをしてもいいんだろうか」とよく言っていました。
なので、毎日のように私に電話が来て「暑いからエアコンをつけていいだろうか」「どうやってつければいいんだろう」「何℃にすればいいんだろう」とききます。
さすがに私も困って、しょっちゅう行っては言い聞かせて練習させるのですが、すぐに忘れてしまう。
いろいろ試したあげく、テーブルにデジタル温度計を置いて、
「30℃になったらエアコンをつける」「26℃になったら止める」「寝る前には止める」と書いたメモをテーブルに置きました。
そして操作に悩まないよう28℃くらいに設定して、緑のON/OFFボタンだけを残し他のボタンが隠れるように、リモコンに紙を貼りました。
「この緑のボタンを押すだけでいいからね」と何度も念を押して…
なぜわざわざ違うボタンを押すの?
そこまでしても、なかなかうまくいかない。
紙を巻いておいたのにわざわざ剥がして暖房ボタンを押したり、温度の上げ下げボタンを押してすごく低い温度設定にして「寒い」と震えていたり。
このエアコン問題はついに解決しなかったので、私は家から扇風機を持ってきて、つけっぱなしにしておきました。
ボタンは全部隠し、「止めない」と書いた紙を貼りました。
エアコンがどうあろうと、扇風機だけはついているので、とりあえず熱中症で死にはしないと思うことにしました。
扇風機は最初、寝る前に止めるようにしようと思ったのですが、これもボタンの押し間違いが繰り返されたので諦めました。
なお、「扇風機をつけたから、エアコンはもうつけなくていいからね」と言ったのですがすぐ忘れられて、
回数は減ったものの「暑いからエアコンをつけていいだろうか」という電話はなくならなかったんですよね…