昭和な嫁の私
私は義母の介護について考えたことがあまりありませんでした。
とにかく3人の子供達を無事に育て上げるのが大変(不登校とかいろいろ)でそのための苦労があったため、やっと得られた安寧の時を楽しむ権利があると思っていたからです。
義母は元気だったし、あの町は高齢者がとても活発な町だから、時々連絡を取り様子を見に行けば大丈夫だろうと。
それに夫が、何かあっても高齢者施設に入れるから苦労はさせないと言ってくれていましたし(遠い目)。
義母にはとてもお世話になったので、不義理をするつもりは全くありませんでしたが、身体的に不自由になったり認知症になる予想はできても、「うつ」的なものは全く予想していなかったんですよねえ。
あんな風に無気力・無関心・悲観の塊になるとは想像もしていませんでした。
自分の身内にそうなった人は一人もいませんでしたし…みんなどちらかというと攻撃的になるか、あるいは病気で寝たきりで静かに亡くなったり。
私の母の長姉はもっと年上なのですが、身体は不自由になっても頭はずっとしっかりしていましたし(つい先日100歳で亡くなりましたが)、考えが甘かった。
でも義母からのSOSを受けて、見捨てるとかイヤという気持ちは全く浮かびませんでした。
私は昭和な嫁。お世話をし返すのは当然でしょう?
イヤではないけど
イヤではないけど、何をしても手ごたえがなく堂々巡りなのは堪えますよね。
会話していると常に後ろ向きなので暗い気分になりますし、家電が使えなくなったのには参りました。
いくら教えても練習しても携帯電話は使えなかったし。まあこれは仕方ない。
最も苦労したのはエアコン…だってねえ、エアコンのことで毎日電話が来るんですよ。
私としては、悩むくらいならエアコンをつけないで、薄着をして扇風機だけで過ごしてほしいのですが、そこは全く理解してもらえない。
毎日しっかり厚着をする。上は長袖シャツ2枚+長袖セーター、下は厚手のモモヒキ+長ズボン、ソックス。
そして「暑いからエアコンをつけたほうがいいだろうか」という電話が来るんですよね。
私は勤務日数を減らして週3で通って、行くたびにエアコンをつけて(私が暑くて耐えられないので)、帰る時に止めていました。
行くたびに着替えをさせて薄着にすることも忘れませんでした(でも翌日にはまた厚着になっているんですけど)。
そして帰り際に「もう夕方だからエアコンはつけなくていいからね」と言っておくのですが、夜になると電話が来るのです。
どうやら、テレビも見ずにひたすら温度計を睨み、少しでも温度が上がると不安になって電話するらしいです。
一時はちょっと電話恐怖症になりかかっていました。
ハァ。ここで愚痴ってちょっと気が晴れました。
あ、エアコンのことはこちらで説明しています。
heilungfruhling.hatenadiary.com
私は優しくないです。どんなに後ろ向きなことを言われてもそれにまともに応じない。慰めたりしない。
「死にたい」という言葉をまともに受けて「お義母さんが死ぬと悲しむ人が一杯いますよ」とか「そんなことを言わないでください」なんて返さない。
まともに応じたらますます悲観的になってこちらも疲労が増すので、キツイことを言って黙らせる。
「お義母さんは健康体ですから、老衰でしか死ねないと思いますよ。あと10年は生きそうだし」とか、
「老衰なら苦しまないだろうからお義母さんの望む死に方かもしれませんね。あと10年、生きるために頑張ればイケるかもしれませんよ」などと言ってます。
それでも施設訪問のたびに、帰路では疲れ切って暗い気分になり、コンビニで甘い物を買ってヤケ食いするのですごく体重が増えちゃいました…
今はとにかくあと10年は頑張ろう!と自分を奮い立たせています。
でも、もっともっと大変な介護をしている方は大勢いらっしゃるのだから我慢しよう、とは思いません。
介護の辛さって、他人と比較できないって思うんですよね。